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オーストリアの名門ハプスブルグ家に生まれ、後にフランス王妃となったアントワネット。おしゃれが大好きで、当時のファッションリーダーでもあった彼女のネックレスは、貴婦人たちの羨望の的でした。 それもそのはず、今でこそ真珠は一般に広く出回っていますが、養殖技術の発達していない当時、真珠といえば天然の真珠、貝が偶然に生み出す奇跡、誰もが得られるものではなかったのです。中世のヨーロッパでは貴人の特権、身を飾る以上に富と権力の象徴でもありました。神の贈り物ともいえる希少な宝物に、当時の王侯、貴族は憧れをかきたてられたのです。 現代、私達の身近にある真珠のほとんどは調色が施されたものです。調色とは真珠本来の色をより効果的に引き出すため、真珠に淡いローズ色を加味することを言い、一般的な処理として広く容認されています。技術の進歩によって品質が均一化され、手軽に楽しめるようになったというわけですが、では、かつて中世であれほど希求された真珠はどこへ行ったのでしょうか? 中世の真珠は全て無調色になりますが、現代にも無調色真珠はあります。希少ですが、巻きが厚く高品質のため、調色を一切必要としない、天然の色調そのものの真珠です。生物が生み出す、2つとして同じもののない無調色真珠。その引き込まれるような深みと光沢、何度見ても見飽きることのない美しさ。当時の貴族たちもその神秘の輝きに魅せられたのかもしれません。 |
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